怡然じらく

タクシードライバーの怡然じらくのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
2.8
胸焼けする。


夜のシーンが多くて視界が狭いのと、主人公の鬱々とした(共感できない)感情をずっと見せられていることで、胸焼けする。出口を閉ざされてる感じ。

タクシーに乗っていると、周りの人間を傍観する立場になる。誰かと繋がっている他人と、誰とも繋がらず孤独な自分。比較し続けることになる。

常に人の幸福が手元で見れる現代人と、近いのかもしれない。口説いた女性にキレかかったり、家出少女を助けるムーブとか既視感が凄いと思ったけど、ネット民だわ。
何者でもないのに自分を棚に上げて芸能人を罵ったり、歪んだ正義感を持ったり。

大きな目標を掲げている自分。周りは誰も、これからする自分の偉大な行動に気づいていない。そんな気持ちを堪えて、外向的に馴れ馴れしく笑うあの表情も厨二病っぽくて気持ち悪い。

でも、気持ち悪い、共感できないと思えることが、イコール幸福なことなんだと思う。
すこーしだけ私の中に存在するトラヴィス。今は顔を出していないけど、これに感情移入できるようになったら、少し危険信号なんじゃないか。
怡然じらく

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