怒り

タクシードライバーの怒りのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

振られた腹いせに議員を殺そうとして失敗し、そのまま売春婦を救うために突っ込んでいくトラビス
完全に狂人なのにたまたま公益と噛み合っただけでヒーロー扱いされる
殺人にまで駆り立てたはずのベッツィへの情熱も、他の人間を殺したことで冷めてしまった、みたいな
銃の向き先として二つの筋が並行して存在するっていう構成がすごい

やらないといけない‥‥って気持ちは生きるのに絶対必要だと思うけど、結局その時その時の気を紛らわすのに使い捨ててくだけのものなんじゃないか
主人公がタクシードライバーなのは「ほんの暫くのあいだ乗せて走るお客さん」とそれを重ねて見せる意図もあるのかなとも思った

そのつもりで見返すと、最後にベッツィを乗せたトラビスの表情は、かつて彼女に執着してた時の感じがなんとか湧き起こらないかと探っているようにも見えてきた

虚しい
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