NHK BSの『プレミアムシネマ』で鑑賞。
独り肉体強化に励み、拳銃を買い、袖に忍ばせるための仕掛けを作り、上半身裸の上にホルスターを着けて鏡の前で何度も抜き差しし、自身の鏡像に向かって「You talkin’ to me?」と話し掛ける。快楽に溺れて頽廃した社会を憎悪し、その一環としてパランタイン上院議員（Leonard Harris）射殺を計画する一方で、幼いアイリス（Jodie Foster）を本気で救済しようとする。そんな不安定でナルシシスティックなトラヴィス（Robert De Niro）がかなり怖い。
孤独と虚無感に苛まれているトラヴィスは、物語の結末にそれらを治癒・緩和する何かを得られたのか？ 個人的には、彼は何も得てないどころか悪化したのではないかと思う。
