「タクシードライバー」
2016/7/6 DVD
2023/10/12 NETFLIX 吹替版(宮内Ver)
高校生の時、本作を傑作とは思えなかった。まだ映画を観る目がそこまで肥えているわけではなかったし、アクションやコメディなどのエンタメ作品(しかも2000年代以降のもの)ばかりを観ていたので、本作のような作品はあまり受け付けなかったというわけだ。
今回、世界三大映画祭の作品を全て鑑賞するという企画に参加させていただいたことで、7年ぶりに本作を鑑賞したが、改めて観てみると非常に面白い。
ベトナム帰還兵のPTSD問題や本作がインスピレーションを受けた大統領候補の狙撃事件、そして本作に影響を受けたレーガン大統領の暗殺未遂事件など、社会の不安をトラヴィスという人物に投影させ美しい音楽と映像でスタイリッシュに描き出す。当時の社会問題を美しく、そしてシリアスにエンタメに落とし込んだ作風に感動を覚えた。
また、「ジョーカー」が本作の影響を受けているという話を聞いた事があったが、改めて本作を観てみるとその影響を顕著に受けている事がわかった。
特にそれを如実に感じたのはラストシーン。狂人であるはずのジョーカーやトラヴィスを英雄として祭り上げるシーンである。本来、犯罪者として非難を受けるはずの彼らを、英雄及び狂人たらしめたのは、彼ら自身なのか、それとも社会なのか。そんな問いを残して両方の物語が幕を閉じるところに意識的なオマージュを感じた。(「ジョーカー」にデ・ニーロも出てるし)
(宣伝)
上でも説明させていただいた通り、下の企画に参加させていただいております。是非、読んでいただけると幸いです…
https://note.com/zenbu_miru/