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転校生 -さよなら あなた-の8bitのレビュー・感想・評価

転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)
3.6
リメイク版は尾道ではなく、なんと長野市が舞台。私が暮らしている街です。
善光寺、権堂アーケード、長野市民病院、長電バスなどなど、日常生活の中で見慣れた景色がひっきりなしに出てくるので、映画と現実の境目がなくなってゆくような、なんとも不思議な気分になりました。

しかし、こんなにも変な映画だとは知らなかった。
「この空の花 長岡花火物語」を観たとき度肝を抜かれたけど、これも凄かった。これが大林宣彦の世界か。
キレッキレのカメラワーク、キラッキラな映像。常に傾いた構図。
全てを語り尽くすようなセリフの洪水。違和感や棒読みを隠そうとしない独特の会話。
時折、唐突に訪れる意味不明なシーンや、クレイジーすぎるキャラクター。

一見滅茶苦茶な映画に思えるけど、中学生の男女が「入れ替わってる~!?」という物語をとおして、「自分が自分であること」に目ざめる成長譚をしっかりと描いた映画であると思う。
物語が進むにつれ少しずつ〝死〟の影が忍び寄り、やがてテーマと結実してゆく流れに大きな感動をおぼえました。

主演のふたりが本当に〝長野の中学生〟っぽくて良かったです。
ちなみに蓮佛美沙子さん演じるヒロイン〝一美〟の家はお蕎麦屋さんでしたが、実際にあるお店です。
善光寺にいったときによく食べに行きます。
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