Jimmy

リリオムのJimmyのレビュー・感想・評価

リリオム(1934年製作の映画)
3.5
フリッツ・ラング監督のSFでもサスペンスでもない娯楽作。

ある遊園地のメリーゴーランド場面から始まる。
このメリーゴーランドで客寄せをしている男がリリオムなる男。けっこう頑丈そうな体格をしているので一見しては判別できなかったが、なんと演じているのはシャルル・ボワイエ。意外である。

リリオムは、メリーゴーランドに来ていた二人の女性のうちの一人と恋仲になる。女性の名はジュリー。
二人は一緒に住むようになって、ジュリーは妊娠するが、リリオムはいろいろあって自殺してしまう。

そして、天国の場面へ。
天国では、リリオムはどうにも更生できない男だから16年後に1日だけ地上に降りて娘に会わせてやることにした。
16年後、成長した娘とリリオムは地上で会うのだが……。
といった娯楽作。

当然、娘は天国から降りてきたリリオムが父親だとは分からず、なかなか粋な場面が良い。
まずまずの娯楽作であった。


この映画は、ドイツで『メトロポリス』や『M』などの傑作を作ったフリッツ・ラング監督にナチスが目を付けたのだが、宣伝に利用しようとしたナチスから、ユダヤ人だったフリッツ・ラングは危険を察してパリに逃れて、この『リリオム』を撮ったという曰くつきの作品。
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