排路

リリオムの排路のレビュー・感想・評価

リリオム(1934年製作の映画)
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彼女がリリオムの暴力に痛みを感じないのは、回転木馬の上でまたきてくれよ〜と言われたほが彼女には心からうれしいことだったからとするなら、だいぶお気楽な思想で、実際はDV男と不感の女の物語でしかなくそこにはどんな美しさも認められないんだろうけど、
小さな物音と光と影でしか構成されていないようなショット、2人で座ったベンチのシーンも、殺害を実行しようとするシーンも、もうすぐ死ぬポーチのシーンも、遊園地の黙祷も、総じて抑えられた静かな映画で遊園地の音をもう聞くことがないリリオムの顔は穏やかだったし、肌だけ光っていて美しいショットだった。娘がリリオムからぶたれていたいはずなのに、全然痛くなかったと母にいって2人でなくシーンがある。美しいのか非難されるべきなのか、わからない…。
その他、激怒でも映像が全てを語る絶対的証言として法廷に登場していたけど、このフランス映画だと、心の声も含めて全てを語っていた。リリオムは映写された彼女の腕を掴もうとしていた。
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