ShinMakita

社葬のShinMakitaのレビュー・感想・評価

社葬(1989年製作の映画)
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日本の新聞はインテリが作ってヤクザが売る。

☆俺基準スコア:2.6
☆Filmarks基準スコア:3.8




東京大手の新聞社「太陽新聞」の内輪揉めが噂になっている。販売網拡大で社を巨大化した名誉会長・大田垣と、創業者子孫の岡部社長の2派に分裂しているのだ。高卒叩き上げで販売局長となった鷲尾は、派閥争いに加わらず好き勝手に強引な販促を進めていたが、ある日親友の編集局長・徳永に乗せられ岡部社長が開いた料亭「稲積」の飲みの席に出てしまった。重役になった恩義を会長に感じつつ、岡部社長にも懐柔させられた鷲尾は、取締役会での会長解任動議でどっちにも着くことができずつい退席してしまう。おかげで大田垣は解任となり、ショックから心臓発作で倒れてしまった。その夜、会長が数日の命と知り浮かれた岡部だが、「稲積」の若い芸妓に手を出し、なんと腹上死してしまった。社葬&次期社長選任で荒れる取締役会の中、どちらの派閥にも忌み嫌われた鷲尾の立場は……





「社葬」


平社員や中間管理職のサラリーマン哀歌ものはいくつもありますけど、重役クラスの男たちがガキの喧嘩のように揉める姿を楽しめるのは珍しい。そんなジジイどもの中で、仕事も浮気も全力投球な緒形拳がシブ可愛いのですよ。
会社映画ってヤクザ映画と同じノリだから、東映のお家芸。脇のメンツも最高で、カッコ良いこと言って結構汚い江守徹、いつも通りの加藤武、若々しい佐藤浩市、キレ易くて大人げない中丸忠雄、存在感抜群の若山冨三郎と高松英郎などなど。それぞれの妻役たちもおっかなくて、クールな野際陽子(岡部社長夫人)とおっとりした吉田日出子(鷲尾夫人)、正反対の2人がなぜ怖いかは、中年男にしか判りません^_^ そして井森美幸が下手ながらも頑張ってて敢闘賞。




しっかしこんな会社嫌だなぁ…に尽きる作品。上でこんなゴタゴタしてたら働く意欲無くすよね、社員も。それでも緒形拳みたいな上司がいたら愉快かな……
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