このレビューはネタバレを含みます
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特命係長只野仁みたいな話だった。
社内で派閥争いをしている会長と社長が相次いで倒れて……というところから話が展開するのだが、世界観と登場人物の人間関係を説明する前フリパートが雑で面白い。
「日本の新聞はインテリが作ってヤクザが売る」というパンチラインが最後まで効いてくる。
冒頭で大きく見せておくことで視聴者にこの映画の見方を伝えていたのだろう。
2時間の中でいくつかのエピソードが描かれるのだが、細切れになっておらずすべてのシーンに意味があった。
この時代は社会が完全な男尊女卑のイメージだったが、確かに映画の世界も男尊女卑ではあるものの、女性たちが反撃するシーンが用意されており「強い女性」が描かれていて少々驚いた。
ラストシーンの新社長によるスピーチでは「部数ではなく記事の質で勝負する」なんて綺麗事を言っているのだが、彼は完全なピエロ。裏では次期社長を巡ってドロドロの社内政治が動いていることが皮肉が利いていて面白い。
こういう映画をサラリーマン映画として真面目に作って社会の共感を乞うてた時点で、数十年後の日本の衰退はわかりきっていたことなのかも知れない。