芹沢由紀子

男たちのかいた絵の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

男たちのかいた絵(1996年製作の映画)
4.2
若き日の豊川悦司を愛でる映画。
高校生のころ、「愛しているといってくれ」を見ながら毎週キャーキャー悶絶させられていました。あんなに声も造形も美しい男性って、いるのでしょうか?今は演じる役柄があまり好きじゃなくて選んでみなくなったけど。
これでもか!これでもか!と若きトヨエツを満喫できます。
くそダッセー肩パッドのスーツファッションなのに、めちゃめちゃ色気あります。

原作は筒井康隆のヘンタイおふざけ短編小説なんだけど、原作とは全く異なる映画として異色極道ものとして仕上がっております。
原作はあれはあれで大好きですけど。かっこよくはないです。

二重人格もののストーリーですが、二つの人格が入れ替わるとき、バチン!と入れ替わるのではなく、徐々に「あれ?あれれ?ん?」みたいに入れ替わるのがよい。
ベルトで婚約者の生意気女をバチバチいたぶるシーンも素敵ですが、
特に好きなのは、行きつけの喫茶店で、ぶりっこウェイトレスに暴言を吐くシーンです。「おれが?そんな気持ち悪いものを?注文?するわけないよね?なにかな君は?この俺が、そんな気持ち悪いものを、注文したって言いたいの?」ねちねちいじめて最後には謝罪させるあのシーンは最高です!!

そして、あのエンディング!!もう完璧な筋書き。終わり方が素晴らしすぎる。トヨエツが好きな知り合いにDVDを貸したら、戻ってこなくなりました。今でも悔やまれます。あれ以来手持ちのDVDは他人には二度と貸し出さなくなりました。

私がコミカライズしていいなら、ぜひ描きたい作品です。
芹沢由紀子

芹沢由紀子