唯

逃走迷路の唯のレビュー・感想・評価

逃走迷路(1942年製作の映画)
3.2
「金田一少年の決死行」的な、冤罪を晴らすためのロードムービー。
タフな精神力、強靭な肉体、行動力、頭の良さ、何としてでも潔白を証明したいという揺るぎない想い、運の良さがないと、こうした話は成り立たない。
大半の人は泣き寝入りしてしまうのだろうな、と思うとやるせない。

道中、びっくりするくらいに達観した仙人みたいな人との出会いがあって助けられて行く。
こうしたお助けキャラって、今作だと盲目の老人とかサーカス団員とか、もれなくマイノリティとされる人たちなのよね。
後ろ指を指されて苦しい思いを経験してきた人だからこそ、弱い立場に寄り添える。

バリーは、パトリシアと共に巨大な組織、大いなる陰謀に巻き込まれて行く。
きちんとロマンスも盛り込んでいて良き。
吊り橋効果もあるだろうが、バリーのむさ苦しい男らしさは惚れるよね。
話が大きくなるにつれて展開に付いて行けなくなるのだが、末端が切り捨てられ犠牲にされることはよくわかった。

バリーがジャックニコルソンにしか見えなかった。
自由の女神に上れるとは初めて知った。
唯