brian

荒野のガンマン/致命的な仲間のbrianのレビュー・感想・評価

3.8
南北戦争終結後、体と心に傷を負ったガンマンと幸福に恵まれない運命の未亡人が出会う異色の西部劇。

法も秩序も理性もないアメリカ社会の闇の部分を描いた作品と言えるだろう。照明の明るさを抑えた撮影で緊張感が伝わってきた。
拳銃を使って相手を威嚇し攻撃する卑怯な手段。流れ弾が当たって命を落とす罪なき人。昔も今も変わらない悲劇。

主人公のブライアン・キースはストイックで孤独と哀感が漂う男を"背中"で演じた。名前がミュージシャンのようで好感が持てる。
相手役のモーリン・オハラは凛とした佇まいが美しくて存在感に満ちていた。男に対する憎悪から慈愛へと変わっていく表情が印象的。

監督は、「ワイルドバンチ」「わらの犬」「ゲッタウェイ」「戦争のはらわた」など多くのアメリカ映画を手がけたバイオレンスの鬼才、"血まみれのサム"ことサム・ペキンパー。これは彼の映画監督デビュー作である。


The Deadly Companions(1961)
https://youtu.be/Z8AysG05fxw
brian

brian