藤見実

ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディの藤見実のレビュー・感想・評価

4.3
キャグニーが自信のベストであると言っている映画。まず、キャグニーといえば民衆の敵〜のギャング映画のイメージで、ヴォードヴィル出身とは知らなかった。信じられないくらい踊れる。東京スパイ大作戦の柔道のシーンは、よく動けるなと首傾げてたんだが、そんなどころではなかった。きっとアイリッシュ系アメリカ人のアメリカンドリーム×愛国心×芸人魂を、自信のアイデンティティと重ね合わせながら演じたのであろうよ。それとは別にお話の内容はとても楽しい(プロパガンダ的な要素は強いが、古き良きアメリカとして目を瞑ればよし)。アイルランド系アメリカ人で芸人一家に独立記念日に生まれたキャグニーが、反骨精神と大衆精神を糧にショービジネスでどんどん成り上がる、その家族の物語という感じ。何一つ嫌味がない、この監督らしい映画だと思う。特にキャグニーが老人の演技をするところ(二重に)はなかなか見応えあり。
藤見実

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