ある舞台芸人の伝記映画
先行作品の『巨星ジークフェルド』と似たような流れのストーリー
しかし『巨星...』とは真逆で、ステージシーンは正直印象に残らない一方、裏にある人間ドラマは出来が良かった
出征していく若者たちと自分の作った歌で行進するラストシーンの主人公の眼にはキラリと光るものがあって、そこが悲しくも印象的だったと思う
主人公が嫁のために作曲した『メアリーの歌』を他のスターにあげたことについて、嫁が「気づいていたわよ」と笑いかけるシーンも感動的
スタジオによって映画の性質が違っていた時代という事がよくわかる
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この時期に制作された映画は戦意高揚を意識しているものが多いけれど、監督・プロデューサーよりも、プロダクション高層部や政府の注文が優先されていたのではないだろうか?
しかしこの監督、後に全く毛色の異なるサスペンス劇の『ミルドレッド・ピアース』を撮るとは...
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『父からお礼を、母からお礼を、妹からお礼を、そして私からお礼を申し上げます』