佐藤克巳

淑女は何を忘れたかの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)
5.0
小津安二郎監督初期の総まとめした様な、モダンでユーモラスでセンス抜群の上質喜劇の傑作。今回は、カラー着色版で拝見したが、この映画の鮮度が倍化した印象。大阪から上京した姪桑野通子の、野球のプレーをジョークに活用したり、煙草をふかし酒豪振りを曝け出し、言いたいことはどんどん言う積極的性格、しかもハイセンスで美人で八面六臂の活躍。特に、叔父斎藤達雄との絶妙な間合いが楽しく、けしかけて付け上がった叔母栗島すみ子にピンタを喰らわす場面は痛快。また助手佐野周二の好男子振り、栗島と飯田蝶子と吉川満子の密談も愉快。
佐藤克巳

佐藤克巳