このレビューはネタバレを含みます
ざらっとした映像、ストップモーションやアップ、ピンぼけを駆使した撮影、イカした劇伴など、ロブ・ゾンビ色は存分に楽しめた。
だがおや? 前作とはだいぶ趣きが異なる。
そもそも本作は、ホラーというよりはアクション映画。兄を一家に惨殺され復讐鬼と化した保安官が、一家を追い詰める話。
最大の違和感は、一家がずっと逃げ回っているところ。弱くね?
もちろん、行く先々で血が流れ、無惨な殺人が行われるわけだが、それほど酷いようには思えない。いや、罪のない人々が命を落とすのだから、酷いには違いないのだがw
第一作と比べると、その部分は物足りないのだ。やはり、一家の得体のしれなさが薄れているからだろう。今作の彼らは、ふつうに頭のイカれた殺人狂である。陽の光と白っぽいテキサスの風景が、そう見せたのかもしれない。
保安官に捕まって、危うく命を落としそうになるし、青春ロードムービーのような最後は、めちゃ爽やかでかっこいい感じになっていた。いやいや、変態殺人一家だからwww
加えて、死体を使ったアート作品も出てこない。楽しみにしてたのに。ちと、がっかりである。そんな私もアタオカである。
いま気づいた。前作に比べて、とってもまともになっているのだ。だから、驚きが少ない。二作目の壁は高い。
第三作があるようなので、ひとまず追いかけてみるつもりではある。平常心で臨む。
タイニー役のマシュー・マッグローリーは、のちに別作品の撮影中に亡くなったとのこと。事故や事件ではなく自然死のようだ。本作の最後、炎の中へ消えていったシーンは、彼の未来を暗示していたのだろうか。ご冥福をお祈りします。