機動隊による突入から脱した殺人鬼ファミリーの残党が、生き延びるための逃避行を繰り広げる。ロック・ミュージシャン、ロブ・ゾンビが手掛けている、スラッシャー・ホラーの第2弾。
物語が継続している続編だが、アメリカン・ニューシネマに路線変更。非道を尽くした狂人たちが、今度は追われる立場に成り代わる。自業自得と言ってしまえばそれまでだが、「悪人の生態」がエネルギッシュに描かれているため、奇妙な魅力に取り憑かれる。
ドラマ面では、「狂人を追う側も、同じく狂人でなければならない」という、「悪魔のいけにえ2」のデニス・ホッパー的な要素が、良いアクセントになっている。既成作品からのパッチワーク感が半端ないけれども、総じてブラッシュアップに成功している。
「自分の好きな要素をセンスよくリミックスさせる」という、音楽家特有の感性がひしひしと伝わってくる。日陰者の生態と敗北の美学が扇情的に描かれており、爽やかな虚無感に浸ることができる。