matsu

点子ちゃんとアントンのmatsuのレビュー・感想・評価

点子ちゃんとアントン(2000年製作の映画)
4.5
隠れた名作!!(隠れてない?) ドイツ映画でこんなほのぼのとした良作映画は珍しいかも?

家族関係や子育て、優しさ、素直さ、純朴さなどがテーマの素晴らしい作品でした。

点子はお金持ちの家庭に育つ(父が医師、母は慈善事業で世界を飛び回る)が、両親ともに忙しいため、親との触れ合いが少ない。メイドのおばあさんとフランス人家庭教師だけ(+アントン)が心の拠り所。

アントンは貧しい母子家庭に育つ。母親が体が弱く仕事を休みがちで、夕方から夜に母親が勤めるアイスクリーム屋でアルバイトをしている。貧しいが母親は愛情いっぱいにアントンに接する。点子はそれを見て羨ましく思う。

アントンは点子の家で高級なライターを盗んでしまう。それを売ったお金で母親を空気が綺麗な海の街に連れて行きたかったからだ。アントンの母親はライターを返しに点子の家を訪ねる。謝罪するが点子の母親に侮辱される。(それを点子が聞いていた。)

アントンはある日、(死んだと聞かされていた)父親と母が電話で話しているのを聞いてしまう。アイスクリーム屋の車で父親のいる街に探しに行くが失敗する。

点子は両親が構ってくれない事に不満を持つ。地下鉄の駅でストリートミュージシャンになり、お金を稼ぐ。これもアントンの母親を海に連れて行くため。

点子は母親に「侮辱した事をアントンの母親に謝罪する」ように求める。そして、世界を飛び回るよりも自分と一緒にいてほしい、と伝える。最初は、子供の言うことには従わない、としていた

…が映画終盤でのさまざまな出来事により、点子の母親は「点子が正しい」と気づく。父親も仕事を減らしなるべく早く帰宅することを誓う。

点子の母親はアントンの母親に謝罪する。そして、点子の家族とアントンの家族みんなで病気療養も兼ねた海への泊まり旅行を提案する。

最後、両家族で海辺で遊んでいる場面。なぜか点子だけ、それに加わらず上から眺めている。理由をきくと「嬉しくて、胸がいっぱいすぎて(遊べない)」。

心優しい子供たち二人に癒やされましたし、学ばされました。優しさの延長で行動力も抜群でした。正しいと思う道を真っ直ぐに突き進んでいました、この二人。見習いたいです。

映画内で音楽に合わせて、点子やメイドや家庭教師、バーの皆で踊る場面があってメチャクチャ楽しそうな場面も非常に印象的でした!! ドイツ人も愉快なんですね。(勝手に固いイメージを持っていました。)
matsu

matsu