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終電車の死美人のcatmanのレビュー・感想・評価

終電車の死美人(1955年製作の映画)
4.0
1955年公開。翌年に第1作が公開される『警視庁物語』の基礎となったと言われる作品。同シリーズ全24作の脚本を手掛ける長谷川公之の名前は見られないものの、確かに登場する刑事たちの設定やドキュメンタリータッチの演出スタイルは『警視庁物語』のパイロット版と呼んでも良いくらいに類似している。ただクライマックスは劇的な演出が強めで、南原伸二と東野英治郎の悪党どうしの格闘なんてシーンもあってこれはこれで結構な見応え。東野の狡猾で太々しい悪役なんてめちゃめちゃイイ。自分は『警視庁物語』の神田隆が演じる主任が好きなんだけど、本作の山形勲の主任もリアルな存在感があって良い。神田よりクセが強いが、そこがまた味わい深い。花沢徳衛は既にこの時点でタバコではなくキャラメルを嗜んでいるので、本作のキャラクターを発展させたのが後の林刑事なんだろう、なんて想像するのも楽しい。山本麟一はほんのチョイ役で顔見せ。堀雄二は顔も体型もシャープでイケメン枠。佐原広二の顔が見えるのも嬉しい。91分。
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