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闇打つ心臓のangryaoiのレビュー・感想・評価

闇打つ心臓(1982年製作の映画)
3.5
伝説的な8ミリ映画を、PFF2015の特集にて。

荒木さんが、8ミリで長編映画を撮る文化は日本だけで発展したもので、今後、世界に向けて、その珍しい、70〜80年代の8ミリ映画を集め、巡回していくプロジェクトがあると話していた。

当時の自主映画界には、タイムマシンに乗ってもアクセスできない、時空の歪みを感じる。

実験的なショットや語り口も特異だけど、なにより、この時代の匂いがそのまま封じ込められてる度合いはピカイチで。
それは、安アパートの一室に陰と陽が共存しているリアルだけじゃなく、カメラの後ろ側、制作陣の空気も染み付いていたからだと思う。

自主映画の女王・室井滋がいた早稲田シネマ研究会のこととか、『ぴあ』誌の創業の矢内さんたちのこととか、今は賛辞が送られるけど当時は「不良」みたいなものをもっと感じたい。
山本政志監督は、国立フィルムセンターで上映される照れを演じていた。
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