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39 刑法第三十九条のEirainのレビュー・感想・評価

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
3.0
原作は、永井泰宇の同名小説。原作小説を読み終えた記念に鑑賞・・・や、正しくは「この映画観てなかったなー」→「これ原作あるのか!?」→「じゃあ観る前に原作当たっておこうか」という流れ。

猟奇殺人が発生、劇団員の柴田真樹が容疑者として逮捕される。彼は取り調べで容疑を認めるも、殺意やその時の記憶がないと証言。そして初公判当日、人格が変わったように態度を豹変させる柴田。これを見た弁護人は、柴田の司法精神鑑定を要求する。「心神喪失」が認められれば、「刑法第三十九条」により、彼の罪は問われない。精神鑑定を担当するのは、精神科医の藤代とその助手、小川香深であった―――。

ところどころ原作から改変されている部分はあるが、概ね原作どおり。登場人物も概ねイメージどおりだったが、精神科医の藤代だけは大分イメージが異なっていた。原作を読んだ感じではあんなオドオドした人物ではなく、(どちらかと言えば)権威寄りの教授然とした人物だった気がするが。あと、香深と母親と死んだ父親の件は、原作には無いものだが(・・・無かったよね?)、結局最後までぼんやりとしか分からず、物語のシーズニングとして必要なものだったとも思えず。ただただ、登場する大量の料理に胸焼けするばかり・・・。

「刑法第三十九条」をテーマに、静かに淡々と語られる2時間超の法廷サイコ・サスペンス。これは先に映画を観た方が良かったかな。映像化の恩恵をあまり感じられず、先の展開も分かってしまっている状態だったので途中、少々退屈になってしまった。(決して悪い作品ではなかったと思うのだが・・・。)
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