かじドゥンドゥン

39 刑法第三十九条のかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
4.2
同じ劇団の女性俳優とその夫を惨殺したとして逮捕されたシバタマサキは、弁護側が要請した精神鑑定により、二重人格を指摘されており、心神喪失による責任能力なしとの主張で争う。

この弁護側の精神鑑定に助手として加わっていた女性オガワカフカは、シバタとのやり取りを重ねる中で、シバタの狂気が偽装であると考え始め、公判の途中から、検察側の証人として精神鑑定を行う。オガワの主張はどれも主観的なものに過ぎないとして、なかなか相手にされないが、法廷で被告人との面談を実施してみせるという前代未聞の試みがなされた結果、シバタの見せる狂気が精神医学の知識に基づいた教科書的なものであり、なおかつ、追い詰められてオガワを殺すと脅すものの結局はそれもできない正常な倫理観の持ち主であることが立証される。

実はこのシバタ、少年時代に、最愛の妹を同世代の少年に犯され、殺され、しかもその犯人は心神喪失を理由に法律で守られ、無罪となった。その復讐を果たすため、彼は戸籍を買って別人になりすまし、狂気を装い、劇団女優を狙うふりをして、実は仇であるその夫を殺めたのだった。