幌舞さば緒

kocoronoの幌舞さば緒のネタバレレビュー・内容・結末

kocorono(2010年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

riverrun代表の茂木さんからバンドに資金が回せられない話を聞いた後のジャックニコルソン(曲名)のLive映像が激アツ。kocoronoを鑑賞していると酒と煙草が欲しくなる。ワンカップを片手にハイライトに火をつけて続きを鑑賞しているとキャパ200くらいのライブハウスの匂いや記憶が蘇る。ラストシーンの浜辺でレコードを大空に向けて高々と投げる演出を観て、想いや願い、喜びや葛藤、すべての感情を作品にして解き放てばいいことを思い知る。日々の生活の中でブッチャーズを聴いてきた自分にとってあの演出は飛んできたレコードをキャッチしたような、あるいは浜辺に落ちていた一枚のレコードを拾うような感覚。「伝説になっちゃダメなんだよ。ということは生き続けなくちゃいけないってことなんだ」という吉村秀樹さんの意志を受け継いでいきたいと思う。これから先も〝生きている、生きて行こう〟と謳い、疲れた時は〝疲れたなら少し休め、木陰を見つけひと休み〟と自分に言い聞かせて。


メモ

「とりあえず全員クビにした方がいいと思うね。音楽業界の奴を。なしってことから始めた方がいいと思う。だから電気止めちゃった方がいいんだよ。多少金は欲しいけど何が欲しいとかっていう目的でバンドはやってないから。普通にさせてくれ俺を」

「バンドをやりたい一人の少年としてブッチャーズに対する思いを正直に言うと、やっぱり同じメンバーで長い間、なるべくなら死ぬまで続けるってのはバンドマンとしてはひとつの夢ですよね。やってることもちょっとずつ進化しながらで尚且つ莫大に売れてはいないけども全く人気がないわけでもない横這いみたいなことでバンドが続いてくってのが実は一番奇跡に近いんじゃないか」

「絶対メンバーを変えずにこのメンバーでやるっていう発想とそれをやる実行力、これは作曲やったり演奏したりするものとまた違った才能なんでそれを兼ね備えてるバンドだと思う」

「リベンジっていう言葉が自分に対して凄い良い意味で頭の中のテーマにある。何年掛かってもリベンジしてやる」

「意地とかっていうのもあるのかもしれないけど、まだ何かあると思ってるからなのかもしれない。やるかやらないかって言われたらやっぱやるのよ俺は。やらないでおじいちゃんになった時にさ、やっとけばよかったなとは思いたくないもん俺。ああなんか文句言われたよ。あんなこと言われたけどやっといて良かったなって思いたいからさ」

「今のブッチャーズは十分私たちを食べさせてくれるような状況ではないけど、やろうってみんな思ってるわけだからさ。なんとかやってけばいいだろうし。売れなくて腐るってその感覚は分かんないっていうか。だって完パケした時に毎回思うんだよ。最高の一番良いのできたって配信するから。結果とかではないはずなんだよ本当はね。売れても売れなくてもさ、良い作品作ったんだって胸張って凛とこうやり続けるってことが大事なんじゃないかなぁ」

「なんとか生きていくしかないんだよ。いつもいじけてるんだけど。バンドを初めて23年経つんだけど、まだ新しいの作りてぇなとか思ってるわけで。何年か掛けて作るとは思うんだけど。仕事じゃないメラメラと燃えるこの精神状況を大事にしたいなと思います。だからくたばらねぇぞっていう」

「どうしてもリベンジしたくて。無題(アルバムタイトル)を出してからの心情っていうのは復讐なんだよね。リベンジっていうか。日本語で言うと復讐っていうか。良い意味で捉えてね。やり返すわけじゃないんだよ。(やってやれよ!)やってやるさー!」
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