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ひばりの お嬢さん社長のryusanのレビュー・感想・評価

ひばりの お嬢さん社長(1953年製作の映画)
3.8
日本一製菓のワンマン社長の体調不良のため、たった一人の身内である孫のまどかが急遽社長を務める事に。まどかは会社経営よりも歌劇団のスターになることを夢見る世間知らずのお嬢様。会社の経営は非常に苦しかったが、貧しい子供たちに安くておいしいお菓子を届けたいという思いを目標に頑張る。そして会社の看板番組で得意の歌を歌うとそれが大当たり、自分らしさで社長を務めるうち経営も上向く。しかしそのころ会社では幹部たちが会社を乗っ取るために悪だくみを進めていた。

名匠・川島雄三監督が、コメディーでありながら、貧しい下町に生きる人々の慎ましさ、逞しさ、若干裏社会の闇も描きつつドラマを盛り上げる。

主役の美空ひばり、佐多啓二に桂小金治ら落語家が笑いの脇を添える。
松竹歌劇団、テレビによる企業の宣伝音楽番組など、本作はもしかするとクレジーキャッツなどの日本芸能ミュージカル映画史のマイルストーンに位置する作品かもしれません。
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