ポンコツ娘萌え萌え同盟

わかれ雲のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

わかれ雲(1951年製作の映画)
3.8
所々観てるだけで空気が澄むような、美しい八ヶ岳周辺の自然や田舎のロケーションのショットの数々。素朴な味のある田舎町や村。山、木々、水辺などの登場人物の配置。その中に含むのは交流と叙情。まるで母親のような川崎弘子や、青年の医師を演じる沼田曜一の人間優しさに触れていく。
本筋は急病から旅先の田舎に滞在する沢村契恵子が演じる眞砂子が持った心の傷と成長を描いた作品なのだが、もし、癒し映画という言葉があるならドラマの中で心が解れていくような本作が当てはまる。

心の傷から悲運ぶった情緒を途中途中で見せる眞砂子。
銀の匙の小道具が持つ彼女なりの意味。ただ彼女なりに本作を通じて幸福、自己と向き合うことで見出すのは愛なのかもしれない。終盤の方ではすっかりスッキリした彼女の姿と決別を見届けて、爽やかな後味に浸れた作品だった。
ただ、個人的には数年前に本作に出会えたならもう少し影響受けたかもしれない。