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ヨシワラのmhのレビュー・感想・評価

ヨシワラ(1936年製作の映画)
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芸者、人力車夫、ロシア海軍の士官の三角関係が東京・吉原で繰り広げられる。
こんだけバラエティーにとんだ顔ぶれで、しゃべってるのはみんなフランス語というカオス。ただバカンスものみたいな雰囲気作りには役立ってる。
オペラの定番「蝶々夫人」が念頭にあるような展開・構成で、お客の方にもそのあたりが共有されていたのか、フランスではかなりのヒット作になったとのこと。
ヒロインを前に「上司の前でこういうよ「このままずっと日本にいたいって」そのセリフの間に場面転換してて上司「ダメだ」って、こんな時代からやってたんだね。
机と椅子を馬車に見立てて、次のカットで(現実ではない)馬車にのってるのとか、映像表現がかなり凝っててる。
ほんとにこれ、1930年代の映画?
ヒロインと人力車夫の関係は、どことなく樋口一葉「にごりえ」を思わせる。ググると「にごりえ」は1920年代にイタリア語訳があるとのこと。なので、これほんとに「にごりえ」オマージュ入ってんじゃないの?
早川雪洲の存在感(物理的に巨大!)えぐくてよかった。
面白かった。
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