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天の夕顔のcsmのレビュー・感想・評価

天の夕顔(1948年製作の映画)
5.0
絵のような雪山に倒れてる男・田中春男が絵のような山小屋からスキーでスーッとやってくるタツノクチさんに助けられる。大学はそれぞれ東京に京都。そして語られるタツノクチさんの美青年時代。美しすぎてこの世のものとは思えぬ高峰三枝子と坂道で出会って数十年、慕いあいながらも本当に何ひとつ発展しなかった二人。プラトニックにギリギリと縛り上げすぎてこれはこれでとんでもないプレイ。三枝子が送った本に挟んであった手紙、達筆すぎてなんて書いてあるのかさっぱりわからない。最後に「うふ」ってどういうこと?掛け軸には「愛欲の〜なんたら」。フランスの土になる夫の気配もないし息子の廉太郎さんだってほぼ公認の仲なのに。測候所で技師として働き村の卑猥さに流されて土地の娘と結婚したが上手く行くわけもなく竜ノ口さん東京へ、即ニコライ堂で三枝子と出会い「何か冷たいものを」で出てくるのはミルクセーキか。3週間で三枝子宅突き止めまた数年、山に篭ってまた数年、遺言も途切れ天に召される三枝子神。流れ星に花火、三枝子&竜ノ口さん全てが絵の中の美しさで映画全部が幻みたい。春男ちゃんが人生語る番はまわってこない。
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