【僕たちの世界】

この作品は、エンディングも含めて、なんか切ない場面もちらほらあるけど、僕は、クスクスとか、フフフとか、笑いながら見てほしい気がする。

ジム・ジャームッシュが登場する辺りからは特に…。

タイトルの「In the soup」は、作品中でもちょっと触れられるが、混乱した様を表している。

なんか、僕たちの世界そのものだ。

皮肉っているわけでは決してない。

愛情たっぷりに受け入れているのだ。

この作品はインディーズの傑作とされていて、身構えて観る人もいると思うが、リラックスして楽しむ映画じゃないかと僕は思う。

宮沢りえさんが、前に、この作品が自身のベストムービーだと言っていたのを何かで読んだことがあって、自身を巡る狂想曲のような大騒ぎと、その後の潮が引くように人が離れていく状況を経験をしたからこそなのかなと考えたりしたことも思い出した。

リバイバル上映にあたり、このフィルムを提供した制作総指揮の鈴木隆一さんが、宮沢りえさんのことはコメントしていたし、オダギリジョーさんが、この作中のジョーから名前を取ったというエピソードも紹介していた。

この時代は、日本がこうしたインディーズ作品に資金も提供できていたのだ。

最近は、韓国映画の台頭で、国の資金がとか、ターゲットは外国でとか、あれこれ言われるようになったが、まあ、大作も悪くはないけど、こんなインディーズ作品に資金を出したり、作ったり出来るような国であって欲しい気がする。

新作でも、ロックウェル監督が、Q and A付きの上映のフィルムで、昨今の映画制作の困難さも話していた。

まあ、とにかく、この90分ほどの作品に込められた、人間のあれやこれやを悲哀も含めて、ちょっと笑いながら観てみて下さい。

映画製作を夢見る貧乏青年アルドルフォは自分の脚本を買ってくれるだけでなく製作資金まで提供してくれるという謎の男ジョーに出会うのだが…

超個性派俳優スティーブブシェミ主演のハートフルコメディ。
皆さんご存知私が大ファンであるブシェミが主演の映画というだけでディスカス。ジャケットから漂うオサレ感も良作を匂わせていた。サンダンス映画祭でグランプリを受賞。

結果！！ブシェミ目的だけで見た割には得をした？印象の映画だった。
置いてあるピザにネズミが集るほど貧乏な生活をしている青年があきらかに胡散臭いおじ様に気に入られて製作資金を援助してもらえる。しかしそのお金の収集方法がどうみても犯罪行為でどんどんブシェミ青年が巻き込まれていく…
といった内容をモノクロで哀愁漂わせながらコミカルに見せてくる。この話は監督の実体験が元になっているらしく、映画を一本作るだけでも本当に大変なんだなとしみじみ思ってしまった。タイトルの「IN THE SOUP」というのも”窮地に陥る”的な意味があるそうなので納得。

主演はもちろんスティーブブシェミ。
ブシェミ！！出演作はとても多く、名前は知らなくてもその独特な顔だけは記憶に残ってる方も多いであろう実力派名脇役だ（このジャケットの右の人）
「なんで好きになったのか？」と聞かれても
「観る映画観る映画にいつもチョイ役で出ていて、気づいたら好きになってた。恋ってそういうもんだろ？(　･´ｰ･｀)」
としか答えられない不思議な魅力が詰まっている俳優だ。その覚えやすい変な顔だけでなくしっかり演技も上手いから映画ごとに見せる顔は全然違う。今回は珍しく？普通の青年役だったが違和感がなかった。顔が変に見えなかったのだ。モノクロの色調もブシェミの顔によく似合う。チャチャチャを踊るブシェミに萌える。そして悪事に巻き込まれて困り顔するブシェミが可愛くて愛おしい。（ゲイではないです。）
ヒロインはこの監督の当時の妻ジェニファービールス。綺麗でした。
あと調べたらでてきたびっくり情報はこの映画に出てくる”ジョー”という役から日本人俳優オダギリジョーは名前をとったらしい。すごい豆知識。

90分程度短く、何かが起こりそうで起こらない、不思議な雰囲気に包まれているのであっという間に感じると思う。ラストは予想外の展開が待っているかも？？

モノクロ映画好き、ハートフルコメディ好き、そしてスティーブブシェミを愛する全人類に捧げる…オススメの作品。

• #TSUTAYA
• #ディスカス
• #ブシェミ萌え

本作のDVDは2枚組。
たまにBlu-rayとDVDの2枚組があるけどそちらの意味はわからないが本作はオリジナルモノクロとセピアカラー。
コレは嬉しい2枚組。
モノクロ版は薄暗く物凄い昔の映画に感じる。
セピア版のが断然イイ、と思う。

映画資金の為、新聞広告にサックスを売りに出し、待ち合わせ場所のホテルに着いたら、ドラッグディーラーが待っていた。横には全裸の女も。
結局、その彼が映画資金のサポートをしてくれた。
そんな経験を持つ監督自身の体験に基づいた作品。
因みに今作の製作総指揮は日本人。

主演はみんな大好きブシェミ。
語りもブシェミ。映画監督役。ブシェミ三昧映画。

脇にはジムジャームッシュにサムロックウェルも。
今作でもサムは踊っている。
そしてブシェミはチャチャチャを踊る。ウケる。ブシェミ万歳。

ブシェミと一緒に映画を作ろうとするおじちゃん。この役名「ジョー」からオダギリジョーの名前を付けたという物凄い豆知識はフォロワーさん情報で知った。
心に刺さる映画、登場人物は人それぞれなんだな、と。

ぼやっと観るには程良い映画。

• #がい棚