ダルマパワー

天国の日々のダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

天国の日々(1978年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ある人にとっての天国は、ある人にとっての地獄。

利己的で、裏切られる事の辛さを知らない無知な加害者達がとても恐ろしい。そしてまた、騙される被害者も、見ていられないほど、痛ましい。

善人が不幸をみて、悪人が幸せの汁をすするストーリーは胸糞。ただ綺麗事ばかりでなく、これもまたリアル。

イナゴのように、人の耕した稲に群がる加害者達はまるで寄生虫のよう。いっそ同じように焼かれてしまえばいい。

炎のように燃え盛る、農場主の憎悪の表情が激しい怒りを物語る。

彼を悪魔足らしめたのは他でもない、この二人がついた嘘。

カメラに向かって感情むき出しに演技する、その言葉や表情は、見る人に直接的に思いを投げ掛ける。

静かに恐ろしい作品。人を信じる事はギャンブルと同じ。いくら長く時間を過ごした人でも、盲目的に恋におちた博打打ちを止めることはできなかった。


生きるために人を騙す事と、生きるために生き物を殺す事と、果たしてどちらが悪だろうか?
ダルマパワー

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