デッカード

天国の日々のデッカードのレビュー・感想・評価

天国の日々(1978年製作の映画)
3.5
20世紀初頭どん底の生活から抜け出そうとする男。愛する女性と農場主との三角関係は人々の運命を翻弄していく。

農場の風景そこにいる生き物など全ての映像が美しく人々の激情を柔らかく包み込む。
人間も自然の一部という思いが強くなる。
美しいものを見た感覚が強く残る作品。

映像の美しさに製作から何十年も経った今でも魅了される。
静かな自然の風景、朝や夕の太陽、生き物たち、燃え上がる麦畑、全てが魅力的で象徴的。
イナゴの醜悪な姿が破滅を予感させるが、それすら美しい。

アメリカが大国になる少し前の当時の風俗や出来事もわかりやすく描かれていて興味深い。

全編を牽引する少女のモノローグが一編の小説のような響きで味わい深い。

映像を流しているだけでも魅力を感じる佳作。
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