どーもキューブ

天国の日々のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

天国の日々(1978年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

麦の風テレンスマジック



 2011年8月27日 17時36分レビュー

 

1978年、アカデミー撮影賞受賞ネストールアルメンドロス。カンヌ映画祭監督賞受賞。英国アカデミー音楽賞受賞エンニオモリコーネ。

脚本監督テレンスマリック。

寡作な映像作家テレンスマリック。最新作「ツリーオブライフ」に合わせて予習。 

確か「シンレッドライン」鑑賞時にあわせ見た記憶。

美しい映像、麦畑、リチャードギアの印象、あと失念。パラマウント低価格ビデオ鑑賞となりました。






まずエンニオモリコーネの優しいサウンドに導かれ、
アメリカの開拓期の人や働く姿の写真、美しいディゾルブ気味の写真、そしてタイトル。

まさしくこのような時代を切り撮りたかったテレンスのメインタイトル。

物語は、放浪労働者の若きリチャードギアと恋人であろう妹のブルックアダムス。

そして妖精のような面とキツい表情を魅せる子役のリンダマンズの素晴らしい可愛さ。


その日暮らしに自然と歩む三人は、サムシャパードが耕す大きな麦畑で働きます。さて天国の日々がそこではじまるのか?

テレンスマリックの美しい画面切り替えのディゾルブの素晴らしさ

自然に絶えず包まれる

麦畑と 見ながらに感じる「風」

瞬間的に映し出す俳優の素晴らしい表情、数秒だが素晴らしい表情を自然描写のあとに

のせていく、ふきぬかせるような、テレンスマジック
私はテレンスの自然と人間の喜怒哀楽をないまぜにした「心象風景」のような表現が大好きだ!テレンスは、物語というより「画語り」という印象です。

テレンスマジックたる天国の日々、それは、アメリカの階級闘争にも見えたり

農地の悩みであったり

地主の余裕と金と人知らずであったり

麦の風だったり

労働者の余暇時間のダンスだったり

踏み越えられないラブだったりに見えます。

若きリチャードギアのぎらついた若さと逆らい貧しさ無邪気さとラブ

一方ギアと対をなす
理知的、お坊ちゃん、ラブ知らずなサムシャパード

サムシャパードの無垢な金もちげな印象が実に素晴らしい。後年「フォールフォラブ」など素晴らしい監督、劇作家として活躍。ウ゛ェンダースの「パリテキサス」の脚本もサムです。

テレンスが撮影に込めた素晴らしいテレンスマジック
風、麦、ツリーと木々、労働者、汽車

そこに包まれる天国の日々のような優雅な暮らし

あこがれ、欺き、金と貧しさ、自然と農業

麦の穂がゆっくりそよぎ

テレンスマジックの
テレンスな日々が垣間見れます

リンダマンズのボイスオーバーは、物語を語り、劇中の気持ちをつぶやきます

この頃は、テレンスまだ、自然や詩的なダイアローグ等々まだ、少なめです。
次第にこのダイアローグは、量が増加しどんどんいわゆる「哲学的」台詞が増えていくような気がします。

テレンスマジックが魅せる麦の風、麦の風テレンスマジック テレンスな日々を是非感じてみてください。

鑑賞後麦の風に当たったような気がしました、

リンダマンズの絵画のような瞳の美しさとともに、可愛いうつくしぃんだよなぁー。
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