AkikoNakayama

天国の日々のAkikoNakayamaのネタバレレビュー・内容・結末

天国の日々(1978年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

本作は、アビーという女性をめぐる2人の男を描く。彼らの在り方は表裏一体で、まるで恋と愛の擬人像のようだ。
アビーの旅路に連れ添うビルは恋のようだ。不安定ながらも頑丈で、離れがたく、しかし呆気なく消える。
かたやアビーを妻とした農場主は愛のようだ。豊かで、脆いながらも結末は見えず、しかし裏切った瞬間に憎悪へ変わる――彼の農場を燃やし尽くした業火のように。正反対に見える両者には共通点もある。恋と愛とは生の営みの中にあり、恋と愛とは終われども人生は続く。男たちが農村の日常に暮らし、彼らを残してアビーの生が続いていくように。
激動の中にある1910年代アメリカを舞台に、変わらぬ恋と愛の本質に迫った作品だ。
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