ネズミツオ

ターミネーター2のネズミツオのレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
5.0
人類滅亡の危機を身を呈して回避させようとするサラ・コナーの芯の強さに憧れます。息子ジョンは義父母から愛情を与えられず非行の道へ走るけど、T-800と出会いこの危機から愛情を育んでいくストーリーが泣けますね。

未来の救世主として立派に成長していくのは誠実で正義感の強い父カイル・リースの息子である確固たる証。宿敵T-1000を演じるロバート・パトリックの三白眼がギラリと光るのは男でも惚れてしまう魔性の液体金属ターミネーターを大熱演!公開当時、あのマラソンランナーを彷彿させる美しいフォームに魅了されました!冷徹なんだけど、セクシーな所がロボットらしからぬ設定で大好き!

勿論、筋骨粒々なシュワちゃんの肉体美に勝るものはありませんが、天然ボケの中にヒューマニズム溢れる優しさを秘めているのが2作目の魅力。ジョンの守護神であり、良き父親でもある。そこが単なるSF映画に特化しないドラマティックな要素で老若男女の心を惹き付ける名作ですね。イタリア製ぺルソールのサングラスを掛けてハーレーに跨がり片手でショットガンをリロードするシュワちゃん本当に画になる!

リンダ・ハミルトンは相当肉体改造をしているので、核爆破シーンで未来と過去のサラがカットバックする場面。過去のサラは双子の姉(妹?)が演じているので、その肉体を比較できるのも計算され尽くした演出で唸らされます。とにかくカーチェイス場面のテンションが高く、スクリーンプロセスを駆使したアナログ技術が見られるのも暖かみを感じます。

本作はCG技術が本格的に活用された作品として知られていますが、T-1000の変幻自在な変装は勿論、用水路で爆破するトラックの炎がCGだった事に当時驚愕しました!ブラッド・フィーデルの金属音シンセ&有名なテーマ曲の他に追跡のテーマも出色の出来栄え。

ロボットが優しさと思い遣りを持つことができるのなら我々も明るい未来を築けるはずだ。溶鉱炉へ沈んでいくT-800のシーンは大号泣ですよ!他国間の争い、宗教や思想の違いで醜い喧嘩になるのなら人類に明るい未来は訪れない。人間同士が未来を築き上げていく。映画はエンタメであり、人生の教科書でもある。ターミネーター2でジェームズ・キャメロン監督が伝えたかったメッセージを無駄にしないよう悔いのない日々を送らないといけませんね。技術の進歩に踊らされて機械に操られてしまっては人間として恥ずかしい。

今回、初めて劇場鑑賞しましたが、3Dかつ座席が動く4DXなので臨場感と没入感が半端じゃなかったです。バイクの振動、殴られると背中がボコボコ、ジョンのバイクが水溜まりを踏むと顔面目掛けて水飛沫がかかる!溶鉱炉へ沈む場面でラベンダーっぽい芳香剤系の香りエフェクトがあったのは謎でしたが、カットに合わせて座席が激しく連動するのはアトラクション要素を重視した4DX作品の中でも満腹度と高いものでした。それほどターミネーターの2の世界観が色褪せていないと言うことですね。

【2017年11月21日】小田原コロナシネマで鑑賞。
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