まーしー

ターミネーター2のまーしーのレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
5.0
言わずと知れたシュワちゃんの代表作。
何度観てもおもしろい。全く飽きない。
なぜこうも楽しめるのか、今回は自分なりに感じたところをまとめてみた。

◆未来を覗いたかのような設定
数年後の未来、人類が「スカイネット」と呼ばれるAIと全面戦争を繰り広げる。この戦争時の人類軍のリーダーがジョン・コナー。追い込まれた「スカイネット」は少年時代の彼を抹殺すべく、現在にターミネーターを送り込む……というあらすじ。
これは、AIが人類の能力を超える、いわゆる「シンギュラリティ」の到来を描いた物語。
今でこそ馴染みの概念となった「シンギュラリティ」を30年前に題材にしたところがすごい。

◆アクションは迫力満点
『エイリアン2』のジェームズ・キャメロン監督というだけあって、アクションはスリルと迫力十分。
バイクとトラックによるチェイス、精神病院からの脱出劇、溶鉱炉での肉弾戦、いずれの場面も息をのむ内容。
カメラワークやスローモーション、ド派手な爆発など、演出上の工夫も功を奏している。
また、前作ではロマンス色のあったリンダ・ハミルトンが、本作では完全に「戦う女性」へとシフトチェンジ。シュワちゃんとの最強コンビが誕生している。

◆不良少年とターミネーターの友情物語
ジョン・コナーとT-800が少しずつ関係を深めていくストーリーが良い。
ジョンは養親に対して悪態をつき、他人のお金も罪の意識なく盗む不良少年。しかし、時には感極まり涙することも。
一方、T-800はロボットのため、人間の感情を理解できない。プログラムされているのは「ジョンを守る」という使命だけ。
そのような二人が少しずつ距離を縮めていく。あまり人の気持ちを考えてこなかった少年と人の気持ちが解らなかったロボットが心を通わせて迎えるラストシーンには、胸が熱くなる。

◆今回の敵は液体金属
ジョンの命を狙うのは最新型ターミネーターT-1000。液体金属で作られているため、変幻自在。わずかな隙間でも通り抜けられる。また、銃で撃たれても再生し、人や物にも変身できる。まさに最強のロボット。
このT-1000は、その特徴と強さだけでなく、演じるロバート・パトリックの無表情・冷酷無比な行動もあって、シリーズ屈指の存在感を放っている。そのインパクトの強さは『ホット・ショット2』などのパロディ映画でもネタにされるほど。
T-1000がいたからこそ、シュワちゃんがより輝いたとも言えるだろう。

以上のように、作品のどの部分を切り取っても一級品。ジェームズ・キャメロン監督らしく、作品のディテールにまでこだわりを感じられる。
前作の思想を大切にしつつも、勢いだけで作られた感じがしない。
「続編はヒットしない」というジンクスを打ち破り、興行的・批評的にも成功を収めたのも納得。
死ぬまでに何度も再鑑賞したいと思う。

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私の再鑑賞に付き合ってくださったポテトさん、ありがとうございました。
やはりシュワちゃんは永久に不滅ですね!