これも凄かった、日をまたいで尚大盛況のシネマテークにて原点的体験。
肉体的な衝戟を捉えた小川に対し放たれる言葉に全弾を託した土本、しかし言うまでもなく人間が非人間に届かぬ怒りと苦衷を訴える様は二人…
『水俣曼荼羅』の予習もかねて名古屋シネマテークで。
本当は『水俣 患者さんとその世界』を観たかったのだが、大学の講義で観に行けず断念…。
水俣病の被害者たちが、有毒水銀を流した会社チッソの…
熊本地裁からチッソ本社のある東京へ、社内の鉄格子が取り外され、直接交渉の場はだんたん狭い部屋になり、机は接近し、ついに川本輝夫が机上から迫る。殺意に満ちた眼と怨嗟の声が満ちる。チッソ幹部の背後のカメ…
>>続きを読む土本典昭・小川紳介監督作品連続上映にて。
水俣第2作。水俣病裁判判決の後、生涯の医療と生活の補償を求めた水俣病患者のチッソ本社(東京)との直接交渉を、同時録音を駆使し生々しく記録した長編ドキュメン…
短文感想 88点
先程の『水俣 患者さんとその世界』が、患者さんに寄り添う作品とするならば、今作は企業との壮絶な争いを映した作品です。なんというか前者が「静」であるならば、今作は「動」となるでしょう…
フランスの作家が「これはシナリオに書けないような言葉のドラマ」だと言ったという。
土本典昭監督は「会社側の言い分をたくさん撮るのが今度の仕事だと思っていました。患者側の論理はそれまでの…
切り返しでチッソ社長の肩越しに患者の人たちをとらえたショットがしばしば使われるので、もしかしてこれは社長主観の映画でもあるのか?って思う瞬間があった。観客は患者と一緒に糾弾する側ではなく、実は糾弾さ…
>>続きを読む前作終盤の怒涛のエネルギーの衝突が100分以上継続していく途方も無さ、ただそれを一方的にぶつけているのは患者・遺族らの関係者側であり、加害者責任を問われるチッソ側は常に「最低限」の補償ラインを策定し…
>>続きを読む「あなたも人間なら答えてくださいよ!」
原一男監督『水俣曼荼羅』が行政との闘いなら、この映画は企業と被害者の闘いを記録したドキュメンタリー。
争点は患者の補償をどこまで行うか。加害者であるチッソ…