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ナイルの宝石のHKのレビュー・感想・評価

ナイルの宝石(1985年製作の映画)
3.9
前作の方がクオリティ的には高いのだろうけど、こちらの方が観る頻度が多いというのは監督がルイス・ティーグだからかも知れない。この人物はコーマン・スクール出身者なのだが、『コックファイター』(74)で闘鶏場面がない!と驚いてコーマンが監督ヘルマンに理由を訊ねたらキモイからだと言う。でもそれがないと映画が売れないと考えたコーマンがその場面のみ撮らせたのがティーグだった。てなワケで、ティーグは製作者にやれと言われたらその通りに「はいよろこんで!」という感じで作る職人タイプだと思われ、この映画もダグラス、ターナー、デヴィートのダチ感覚しか伝わって来ないところがよい。クライマックスはダグラス、ターナーがロープで吊るされて危機一髪!デヴィートが梯子を渡して助かるが、80年代の終わりを告げたこのトリオによる『ローズ家の戦争』(89)も同じようなシチュエイションで、しかしデヴィートは落下して死に逝くふたりを見守るしかないということが興味深い。つまり、当時の彼らはイケイケだったのだ。
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