ハレンチ学園在学生

爛(ただれ)のハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

爛(ただれ)(1962年製作の映画)
4.0
62年大映。2000年ユーロスペースでの「増村保造レトロスペクティヴ」以来の鑑賞。初見のときはたいした印象も残らず、やっぱり増村=若尾は「赤い天使」に限るなどと考えていたが、見直してみて抜群に面白いと感じた。増村=若尾の色恋の濃い作劇は概ね人死が出て終わる修羅場と化すが(本作も中盤若尾文子と水谷良重の凄まじい取っ組み合いがあり見もの)、本作は現実的な落とし所を持って終幕となる。初見時はそこらへんが物足らなく感じたのだったろうか。まともな人間がほとんど出てこないところもいっそ清々しくてよろしい。しかし、若尾文子をものにしてもなお若い女(姪・水谷良重)に手が出る田宮二郎の軽薄な男前ぶりが、さもありなんとつくづく思わせられた。