Ginny

無法松の一生のGinnyのレビュー・感想・評価

無法松の一生(1943年製作の映画)
3.0
午前十時の映画祭で鑑賞。
朝8:25からなんですけど…というわけで寝ちゃった(;o;)

今回の上映に至るまでの映像修復や制作当時の時代背景、戦時中や戦後GHQによる検閲など作品があった憂き目、悲しい出来事が語られる解説映像あり。
映像修復は、アメリカ、ポルトガル、あともう一カ国…外国ということに驚き。
有難い話ではあるけれど日本の名作を何故国内で修復し、後世に残すということをもっと取り組めないのか、と。
今作の撮影監督宮川一夫をよく知る宮島正弘さん(この方も撮影監督)が映像修復のディレクションを行ったよう。絵コンテがめぢゃめぢゃ上手い…!
素晴らしい作品を後世にきちんとした形で残したいという熱意も素晴らしく胸を打つ。
庵野監督が特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構を設立するにあたった思いや、宮崎吾朗が宮崎駿古畑勲鈴木敏夫の功績をどう後世に残せるかと思案してジブリパークに挑んだとか、そういうものと同じ感動がありました。
日本映画も、漫画ももっと積極的に古典の素晴らしい作品を残し若者に多く観てもらえる機会ができれば良いのだけれど…。すんばらしい日本映画があるのに、今の日本映画界ってちょっと…新しく良い作品も勿論ありますが…消化試合的なのもあり、モヤモヤ。

あと、目ん玉飛び出たんですが、映像修復は宮島さんだけでなくマーティンスコセッシ監督も関わったと、クレジットに。
世界の巨匠が今なお狭い島国の作品を敬意を持って携わってくれてるのに、当の国内では…。

阪妻は、ヤマザキマリさん著者『歩きながら考える』を読んで気になりました。
素晴らしい俳優だと。
作品チョイスが正しかったのかわかりませんが、表情や身のこなしが良いなとは思いましたがいかんせん意識が朦朧とした状態で見ており…(土下座
広島で被爆して亡くなられたという園井さんのしとやかで美しい様、命が尽きてもスクリーンで輝き続けるからこそ映画って、いいなぁと。
寝て、起きて、必死に見ていたけれど、あれ?!もう終わり?!唐突、私もしかしてまた寝てた?と思ったらそこは検閲でカットされた場所らしい。

切ない終わりでした。松五郎の人情がしみじみ染み入る。
主語が大きすぎるかもですが、我関せずな人が多い世の中に思えてくる昨今、こういう映画が少ないからってのもあるのかなあ。
映画でいっぱい学ぶから、映画から吸収するから、映画で何が語られるかはとても影響力が大きい。
声が大きく賑やかで人情に溢れた人、いいな。今とその当時じゃ時代背景も求められるものも違うから同じに語れないけれど、倫理観が揺らいでる(のか様々な視点が増えたのか)と思えるので、まだこういう熱い人の映画が出てきてもいいんじゃないかなと思った。
Ginny

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