カレーちゃん

皆殺しの天使のカレーちゃんのレビュー・感想・評価

皆殺しの天使(1962年製作の映画)
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初ルイスブニュエル。
ブルジョワジーへの皮肉が、彼の十八番だそうだが、なんとも掴みどころのない映画だった。
やたらと帰りたがる召使い、どうしても外に出られないブルジョワたち、様子を伺いたいのにどうしても突入できない外野、その理由が示されないまま地獄のような時間が過ぎる…
あんなに身なりをきちんとした、お互いへの尊敬・節度を持って過ごしていた貴族たちが殺伐としていく様子はブルジョワだけでなく人間の真理のような気がするし、
反復しないと出られないというあのトリックもSFめいていた。
エレベーターで閉じ込められた男女が時間が経つにつれて狂っていく映画があったような…そういう狂気とか、帰りたくても帰れないシーンは日常にこぼれている気がする。また見てみよう。
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