昼行灯

皆殺しの天使の昼行灯のレビュー・感想・評価

皆殺しの天使(1962年製作の映画)
3.9
物語に終わりがなく、かといって開かれたエンディングという訳でもない、言うなれば真に閉じた物語というか、、

解釈は難しいけど、映画が毎1/24秒の死であるとすれば、部屋から出られない登場人物たちは、1コマに刻印された像から動き出すことの出来ない登場人物たちをも示しているのではないかと思った。彼らは映画において物語は連続しているように見えるけど、実際にはフィルムは明滅するものなので、彼らの生は断続的であるという。だからこそ、部屋から出れてもまた教会で閉じ込められてしまうみたいな?時間の連続性についての違和感は、物語冒頭で突然訪れる反復ショットにも表れてると思う。

出られない部屋をスペインだ、貴族社会だというのは、ブニュエルにしては安易な解釈になるからあんまりしっくり来ない。キリスト教とかブニュエルにもっと詳しければあるいは納得できる解釈が思いつくかも

結局皆殺しの天使が誰なのかも分からないし(途中までクマが天使だと思ってて、最後ブルジョワたちが壊滅するのかと思ってた😅)
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