ここで移動ショットを入れるぞという意気込みがある箇所がちらほら。螺旋階段をヌルッと落ちていったカメラがそのまま横に移動していく冒頭は結構感動した。少年の火星のダンスに『殺しの烙印』にそこそこやりきってる。ヒッチコックの救命艇のリメイク映画があったけどあれみたいな感じ。本編の100倍メイキングが面白いのはご愛嬌。「アルドリッチを鈴木清順で撮って、カーペンターで仕上げる……」。万田邦敏にしても立教の人たちってみんなアジ文っぽいの書くのがハスミンよりうまいイメージ。調布の撮影所でこんなカメラベースでセット組めるんだ。景気良くない映画だと言いたげだけど、今見るとめちゃくちゃ景気のいい謎押井映画に交わる。