ポレポレ

小早川家の秋のポレポレのネタバレレビュー・内容・結末

小早川家の秋(1961年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

BS松竹東急『土曜ゴールデンシアター』(「日本の名匠シリーズ 生誕120年 小津安二郎特集」)で鑑賞。

京都で造り酒屋を営む小早川家を舞台に、早くに亡くなった長男の妻 秋子(原節子)の再婚話・次女 紀子(司葉子)の縁談・店の経営不振・当主 万兵衛(中村鴈治郎)の昔の愛人 佐々木つね(浪花千栄子)宅への通いの再発等を描く。
関西が舞台で、加えて松竹ではなく東宝で制作されたとあってか、これまでの小津映画とは変わった雰囲気。秋子との再婚に積極的な磯村を演じる森繁久彌の存在感がかなり異色。つねの娘 百合子(団令子)の欲深さと薄情さもヤバい。小津映画でお馴染みの笠智衆と杉村春子の登場が私の中では癒しであり一服。
万兵衛が亡くなる終盤、川辺に烏が何羽も集まり、小早川家の一同が揃って火葬場の煙突の煙を見遣り、葬列が川に架かる橋を渡る一連の場面がとてもシュルレアリスティックで印象的だった。
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