サイレントにはサイレントの良さがあり、トーキーにはトーキーの良さがある。
トーキーなら、セリフの応酬、感情の爆発など、サイレントだとすべてを字幕にするわけにもいかないところを、耳からストレートに伝わってくる。
そのトーキーならではの最たるものがミュージカル映画。歌う、踊るが耳と目からダイレクトに躍動感を伴って飛び込んでくる。
実際の俳優を目の前に観るミュージカルからは流石に臨場感は劣るが、お手軽に、またより多くの人が観ることができる。
第2回アカデミー作品賞の価値は、このミュージカル映画の先駆けとしてのものだろう。