おはうち

シー・オブ・ラブのおはうちのレビュー・感想・評価

シー・オブ・ラブ(1989年製作の映画)
-
トップシーンのツカミが良く出来ていると知って観た。確かに謎を呼び込むツカミの殺人シーンに引き込まれ、次の一斉逮捕をするパチーノの演説や身振りで性格付けがなされてスマート。子供を連れた軽犯罪者だけは見逃してやる個性で主人公が印象的に見える。

1989年の映画を現在の価値観で観ちゃうと女性差別も良いところだな。最後にパチーノが永遠と付き纏って女を説得する場面は画としてオモロいんだけど、未練たらしい男のキモさの極みのシークエンスだよ。最後はちゃっかり女をモノにしちゃって不愉快っすね。

女性が犯人だって決めつけからして間違いで、それに関しての反省はまるで見当たらない。本作の主人公を含めた警察組織はかなり無能だったとトータルで言わざる得ないよな。こいつらまるで駄目じゃん。映画の警官は無能と相場は決まっているが、主人公が最後まで無能って珍しい。

主人公に問題解決能力は無かったんだよね、推理や捜査は最後までミスしているからね。それで何が残ったのかと言うとカンフーが突破口になるというのには驚愕。流れで仕方なく物理で解決してしまう、駄目じゃん。主人公の価値観や本質の変化が希薄なのでラストが都合良すぎた。

女体好きのミソジニーって感じの映画だよな。警察の昇進祝いパーティーの帰りにムカムカしているからと言って「女は全員くたばれ!!」とか、そんな台詞をよく思いつくなって感じ。それでいて、女はやっぱり大好きで肉体関係を欲している。キモいんだよな。
おはうち

おはうち