映画好きなねこ

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?の映画好きなねこのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

アニメ版も観る予定ですがこちらも。
夏の蒸し暑い雰囲気と小学生の無邪気さとちょっと大人ぶりたい、気恥しいそんな雰囲気が上手く合わさって心地よい世界観だった。
典道と祐介は親友だがお互いなずなに片想いしていた。少し大人びているなずなは両親の離婚により夏休み明けには転校することが決まっていた。
ある日プールで競走し勝った祐介はなずなに花火大会へ二人で行こうと誘われる。しかし友人グループでも打ち上げ花火は横から見ると丸いのか平らなのかという疑問から花火大会へ行く約束をしてしまい、気恥しさから祐介はなずなとの約束をすっぽかしてしまう。その後祐介の自宅である病院にてなずなと会った典道は「祐介は来ないよ」となずなに告げる。大きな荷物を抱えたなずなは「わかった」と悲しそうに答え病院を後にする。しかしその後母親に追われ勢いよく走ってきたなずな…母親に捕まり「嫌だ離して」と泣き叫ぶ。その現場を目撃した典道はあの時プールで俺が勝っていれば…と後悔する。
ここからがifストーリー。プールでの勝負に勝った典道。最初は典道もなずなとの約束を断ろうとするのだがなずなに手を引かれて無理やりバス停まで連れて行かれる(ここら辺の力関係というか、女子の方が少し背が高くてしっかりしてる感じとても小学生っぽいなあと思いました)バスに乗ろうとするなずなに戸惑う典道。「家出するの?」と問う典道に「駆け落ちよ」と澄まして答えるなずなが印象的。そこからはもう何か切なくて胸がぎゅっとなりました。
「次に会う時は二学期だね」という台詞もとても切ない。
なずなの少し背伸びした、でも大人じゃない。自分でどうにかできる問題よりできない問題の方が遥かに多い、でも子供扱いもして欲しくないっていう葛藤や虚しさが表情から伝わってきて凄い演技力だなぁと。
ひと夏のキラキラしてて、蒸し暑くて、少し切なくて、あっという間な時間を綺麗に表現している作品だなと思いました。