カウリスマキ監督には一部熱狂的なファンがいると知ってはいた。それで以前映画館で何かを見たがもはや全く記憶になかった。あれから少なくとも10年以上経過し、今40代半ばになって、本当にこの監督作品が大好きになっている。
日本から遠く離れた北欧フィンランドの風景、宇宙人語かと思われる程耳馴染みのないフィンランド語。
俳優たちはいつも常連で占められており、特段美男美女でも名優風でもなく、日常よりも無機質無表情な芝居。
物語自体も、特に特別なメッセージ性がある訳でもなさそうで、誰にでも起こり得るちょっとした日常を切り取っただけに見える。
だから視聴前は特に期待していないし、億劫なことさえある。
しかし、いつも視聴し出したら虜になっている。ワクワクしている。
物語それ自体は印象薄くても、善きにつれ悪きにつれ、この監督作品だけにある感覚みたいなものがずっと残る。
映画に限らず、あらゆるartは、この”only one”に尽きると思う。
カウリスマキ監督を見始めるなら、この「過去のない男」か、”レニングラード・カウボーイズ”シリーズがお勧めです！
