殺し屋と少女の儚くも暖かいひと時の物語。ナタリーポートマンをはじめとしたキャスト陣の代表作およびに出世作として然るべき名作であろう。大人びているのにあどけなさの残るマチルダと狂気を帯びた悪徳刑事役のゲイリーオールドマンの演技が特に良い。
本作の元ネタ？ とでも言うべき類似映画として『グロリア』があるが、本作はグロリアと比べて幾分キャラクターの魅力立ち方、アクションなど見どころの分かりやすい映画だと思う。やはりそこがウケているのだろう。反面、登場人物のルックスを筆頭にどこか漫画的というかアニメチックなケレン味が強くて、写実的なドラマ映画を好む人には少し物足りないかもしれない。その辺りは良くも悪くもグロリアの方が大人な味わいであろう。
とは言いつつも本作はハードボイルドものの格好良さ、キャラの魅力、華のある役者の芝居など盛り沢山である。ラストシーンの後に流れるスティングのエンディングテーマも、また切ない。
