なんだそいつぶっ飛ばせ

レオン 完全版のなんだそいつぶっ飛ばせのレビュー・感想・評価

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.3
 初めて見たときの衝撃を思い出す。二年ぶりにふと見返すと不完全でない美しさを描くことがいかに難しく貴重かを実感する。
 設定としては12歳、ナタリー自体は13歳。露出の多い薄着でたばこをふかし、40代の男に恋をさせ性的な言葉を口にさせる。現代ではありえないほどの表現しかないこの作品。
 当時の細かい評価を分かるすべはないが、今になってもこの作品を名作ということに懐疑的な人も多いだろう。それはナタリー・ポートマン本人も例外ではない。
 一番問題なのは彼女自身が13歳だったことだろう。当時を振り返る記事を見ても、世間の一定の評価に感謝を示しつつも「自分の子供にどう見せればいいか分からない」と当然の疑念を抱いていることが分かる。彼女がレオン公開後に受けた世間からの目を考えれば、心が痛むし同情すら烏滸がましい
 ただ見る側としては手放しで名作だと言っていいと思う。もちろん面白ければであるが。映画を見ていると不完全を求めすぎる傾向にある。ただこの作品はその私を嘲笑するかのように、映画的な感動を与えてくれた。