良い映画程、見終わった後の余韻は長い。まるで自身が映画の内容を経験したかのような、充足感や喪失感があると思う。
その点で、この映画はとても余韻が長い映画だった。言い方は悪いが、ストーリーもそこまで深いわけでも無ければ、エンディングの感動もそこまであるわけではない。それなのに、余韻だけはどの映画より長いのは何故だろう。
思うに、それはキャラクターの魅力とその魅せ方であろう。兎にも角にもマチルダとレオンが魅力的なのである。その理由は俳優陣の演技力でもあるし、監督のノスタルジックなカットでもある。要は映像作品として完成された姿なのだ。
映画の魅力とは何かがこの作品には詰まっている。私を更に映画好きにさせる、そんな作品であった。