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レオン 完全版のぴのレビュー・感想・評価

レオン 完全版(1994年製作の映画)
3.8

言わずと知れた名作。

レオンといえば、ひとつ印象的なシーンがあって、
マチルダが恋についてうんぬんかんぬん話してる時に、
「これって恋だわ」みたいなことを言うんだけれど、
さらっとレオンが
「恋をしたことないのに、どうして恋がわかるんだ?」
と尋ねるシーンがある。
たしか、マチルダが
「だってわかるもの!」みたいな答えを述べてこのシーンは終わる。

なんでもないシーンなのだが、
この奥深い問いはさらっと流すことはできないだろう。

私たちがいましてる恋は文字通り十人十色で、様々な在り方がある。
彼らが呼ぶ「恋」と自分が呼ぶ「恋」には大きな隔たりがある。
彼らの恋は、私にしたら恋ではない。逆もまた真なりや。
して、この私の恋は誰から教えてもらったのだろうが。
もしかしたら私が感じている別な感情が他の人からしたら恋である可能性は否定できない(極端な例をあげると「美味しい」という感情が「恋」であるとか?)だろう。

前に、スヌーピーを見ていた時の話だ。
チャーリーブラウンが家で野球の中継を見ていた時に、観客席に映ったある女の子を見て、一目惚れをする。

たったそれだけで彼は恋をするのだ。しかし彼はそれを恋だと強く認識する。
一目惚れという感覚は完全に外見だけだ。一目見て惚れるのだから。それも一種の恋の在り方に属する。その在り方に上だの下だの言うのはナンセンスである。
恋の在り方に美しさも醜さもありはしない。ただ恋するという強い感情が在るだけである。

映画の本筋とは大きくかけ離れたが、そんなことを考えさせてくれるきっかけとなる映画であった。
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